美食 淡路島

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LA CASA VECCHIA

0799-74-6441

淡路市釜口1225

12時〜、18時~共に一斉スタート(オープンは各30分前)

火曜(終日)・水曜のランチ休、不定休

LA CASA VECCHIA
眼に映るもの、手に触れるもの、味わっていただくもの、全てがメイド・イン淡路島です
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LA CASA VECCHIA

0799-74-6441

淡路市釜口1225

12時〜、18時~共に一斉スタート(オープンは各30分前)

火曜(終日)・水曜のランチ休、不定休

LA CASA VECCHIA

 曲がりくねった急な山道を進みゆけば、大きな古民家が見えてくる。イタリア語で『古い家』という意味をもつ『ラ カーサ ヴェッキア』。米村幸起シェフ・梨恵さん夫妻が営む、イタリア料理店だ。
 ふたりが淡路島に移住したのは2008年のこと。当時、小さなトラットリアを営んでいたが、「島の食材を知るほどに、この地でしか表現できない味づくりにハマりました」とシェフ。それは、カルボナーラなどイタリアンの定番を作ることではなかった。「淡路島にしかない食の魅力を、コース仕立てで表現したい…」。時を同じくして昭和初期に建てられた古民家に巡り会い、2013年に移転を決意した。
 米村シェフの揺るぎない想い。それは「“二十四節気”をテーマにすること」だという。
 旧暦をもとに暮らしていた時代。先人たちは、気候の移り変わりや、作物の収穫、漁の時期などを細やかに感じ取り暮らしてきた。その“二十四節気”をイタリアンで提唱する。今や「農」にも携わるシェフにとって、必然だったのかもしれない。

肉料理「淡路椚座牛」
淡路椚座牛 炭火 炙り

料理は全て昼4620円(全6皿)より。肉料理には、黒毛和種の牝牛のみを地元の飼料で肥育する「淡路椚座牛(くぬぎざぎゅう)」が登場。炭火で炙り、薪の熾火で香りづけしたイチボ肉は、箸でちぎれる柔らかさ

翡翠ナス ポルペッティ仕立て 自家製パスタ

自家製小麦を用いた手打ち麺には、地元・仮屋漁港で揚がったウオゼと、「幻種農場」で栽培する伝統在来種のナス「佐土原茄子」を組み合わせる。「白露」の時期ならではの山海の旬が融合

 取材で伺った9月中旬は、秋を6つに分けた3番目の節気「白露」。草木に露がつくようになり、朝夜には肌寒さを感じさせる頃とされる。6皿からなる昼のコースには、白露の頃に旬を迎える秋茄子、さらには地元・仮屋漁港揚がりのウオゼなどがお目見え。
 コースの序盤、温かい前菜には、洲本「幻種農場」で栽培する翡翠(ひすい)なすをポルペッティ仕立てで。イタリアでは、牛ひき肉にパンやチーズなどを加えて作った肉団子のことをポルペッティと呼ぶが、米村シェフは、古くから日本に伝わる固定種・翡翠なすを主役に、自家製チーズを使い味わいに奥行きを持たせた。
 「自家製」といえば、パスタもしかり。自家畑では小麦を栽培する。小麦粉と水、塩だけで作った手打ち麺はムッチリとコシがある。ウオゼからとったダシの凝縮感ある味わいや、秋茄子の旨みが共鳴する。
 「どの料理も映えないでしょう」とシェフは苦笑する。だが、素材そのものの力強さが、ストレートに響く味わいの連続。二十四節気を織り成す野菜、さらには肉も魚介も地産に特化できるからこそ「何を食べているのか分からんような料理は作らない」と米村シェフはきっぱり。さらには小麦、野菜、ブドウ、チーズなど加工品に至るまで「出来るだけ、自分たちが手がけたものを使いたい。それこそが、ウチ流のもてなしのカタチだと思っています」。

栗の渋皮煮と全粒粉からなるケーキは、素朴な風合い

ほとんどの野菜は、固定種・在来種を中心とした野菜や果物を農薬、化学肥料不使用で栽培する洲本「幻種農場」より

「大学卒業後、淡路島の病院に社会福祉士として勤めていました」と米村シェフ。その後、移り住んだロサンゼルスで、料理人人生をスタートさせ、帰国後は、京都イタリアンの店で修業。縁があったこの島に移住した

「熟成3ヶ月目のセミハードチーズ。低温殺菌の牛乳、自凝雫塩(おのころしずくしお)、凝乳酵素などを加えた自家製

「生ハムを手がけるようになり8度目。洲本で肥育する「ひょうご雪姫ポーク」の骨付きモモを使用する

見上げれば天井は高く、柱や梁がどっしりと存在感を放つ。格子窓からは、青い海を一望。

店からさらに急な坂道を上がった場所に、ブドウ畑を所有する。現在はシャルドネを自然農法で栽培

「長畠高原葡萄園」の森さん、「farm studio」の山田さん、そして米村シェフの3人で立ち上げた「森信ヴィンヤード」。現在は休業中だが、自然な造りがなされたワインをリリースしてきた

今、行きたい 至極の3店